・白昼夢の青写真
『白昼夢の青写真』というノベルゲームのシナリオライターが執筆した小説なので、まず軽く白昼夢に触れる。白昼夢の青写真はcase1~3と称した3つの中編を読んで、最後グランドエンドとなるcase0に突入するのだが、僕の感想はcase1~3の方が面白くね?というものである。case0ではSF要素的なのが入ってくるのだが、case1~3の話がそこまで絡まないし、SF説明が長く冗長に感じてしまった。case1~3が85点、case0が80点で総合82点くらい。
・SFの塩梅
ここからは『天才少女は重力場で踊る』の感想。今回は未来からメッセージを受信するのがSF的な要素になるのだけれど、正直SFと日常と恋愛の進行のバランスが微妙で、本格的なSF説明なのに緊張感とかが一切なくどっちつかずで中途半端な作品になってしまった印象。SF部分の説明とかをちゃんと説明していて説得力を持たせようとしてくれてるのは分かるのだが、基本的に300p前後が想定され、さらにノベルゲームのように絵などでの描写がない小説でSFと恋愛と日常をやるのは流石に厳しいなと思った。
・緒乃ワサビというライター
このライターさんは文学的な話からラブコメ(?)、モキュメンタリー、SFまで本当に多岐に渡る分野をハイレベルで書けるんだろうけど、融合しようとすると途端に中途半端になってしまう気がする。だから、1つの作品1テーマな作品を読んでみたいなと思った。ノベルゲームで本格的な話をやっても、小説で軽快な話や文学的な話何やってもうまくいくと思うので、次は一つのテーマで書いてみて欲しいなと思った。期待してるぞ!
50/100点