・絶望
基本的に敵勢力であるBETAが強すぎることによって絶望的な状況しかないが、そんな中うじうじしていた主人公が前を向き希望を見出し少しずつ成長していき、それでもやはりたくさんの絶望が襲ってきては展開が二転三転して本当に面白かった。ちゃんと人が死ぬ作品は良いねえ。
『進撃の巨人』の作者本人もこの作品をパクったとさえ言っているが、設定などは確かに似ているものの、進撃の巨人は絶望的な展開を利用した「生まれた意味」などのサブテーマや伏線回収による面白さもあったのに対して、『マブラヴオルタ』は絶望的な展開を打破していく為の、物語としての面白さに極振りしているなと思った。
・アツい展開
ロボット物で、キャラそれぞれに信念があり、説教臭いといえば確かにそうだが胸に刺さる名言もそこそこあるし、戦闘は常にそれなりにアツくはあるんだけれど、最後の二戦以外はそれなり止まりだと思った。最終戦の未来への咆哮が流れたシーンはめちゃくちゃ泣いた。アツさとは少し違うかもしれないけれど、鑑純夏とかいうヒロイン可愛すぎるし、こいつと腹割って愛の話してるシーンだいぶ好き。
・マブラヴ
『マブラヴ』という日常萌えゲーをプレイすることで芽生えたキャラへの想いがあるからこそ、この『マブラヴオルタ』での絶望と苦しさが突き刺さる。ノベルゲームという比較的長い時間プレイすることが想定されてる媒体だからこそ丁寧に作られていて、それによって感情移入や物語への没入度を高めてこの絶望的な物語を味わえるわけだし、アニメや漫画ではなくノベルゲームで読んで欲しいな。でもさあ...↓
・マイナスポイント
『マブラヴ』は全然面白くないのにこれをやらないならオルタもやらなくていいと言えてしまうくらい大事なのが辛い。しかもオルタすら前半は微妙。あと、SF要素に説得力を持たせるために説明が思った以上に多くて辛かった。あとあと、戦術説明とかも凝ってるといえば聞こえはいいけど冗長だと思った。丁寧な物語作りを意識するのは良いのだけれど、説明が多いとだれちゃうよーT T
・まとめ
マブラヴから含めると60時間プレイすることになりまあそりゃ面白い物語になるわけだけれど、最初の30時間くらいはあまり面白くないので、それでもなおプレイする必要があるかは怪しい気がする。エンタメ的面白さはあれど深みがあるかというと怪しいので、時間がたっぷりある方ならぜひプレイして欲しいけれど、そうでないならプレイしなくてもいいのでは?というラインな気がする。
85/100点